エスプリプロジェクトにようこそ

新宿にて(対話)哲学カフェ、読書会、ボードゲーム会、TRPG会、人狼、その他イベントの企画開催

【書評】しない生活/小池龍之介

エスプリにようこそ

 

ごぶさたしてます、レナ(@esp_rit)と申します。

本日は本のご紹介。

 

作者は小池龍之介さん。住職さんであり、作家活動も精力的におこなっている方ですね。有名なのは『考えない練習』でしょうか。

 

考えない練習 (小学館文庫)

考えない練習 (小学館文庫)

 

 

今回とりあげる『しない生活』は、五章からなる「ナントカをしない」をまとめた本。1ページが1項目になっているので、気になるタイトルから読むこともできます。

 

 

第一章 つながりすぎない


7.「私をわかって」と欲するほどわかってもらえなくなる

 

あるとき著者が「人は誰でも、自分のことを(都合よく)わかってもらいたい甘えをもっている」という話をしたそうです。するときいていたひとから、「自分は小さい頃からそんな甘えはない」というようなことを返されたらしい。さて、このひとには甘えがないのでしょうか。

 

"わかってほしいという欲がない"という自分をわかってほしい

 

甘えがあります。うーん、こじれている(笑)。
そしてわたし自身、大なり小なりしょっちゅう似たようなことをしていると気づきました。

 

相手が身近な人間だろうがネット上だろうが、さも自分が正しいように、価値があるかのように、こういう意見もありますよみたいな空気までまぜこんで、あれこれしゃべったり、書いています。

 

主張する=甘えがあるということではありません。ですが一般的になんらかの主張をするとき(なにも主張しないという主張も含めて)、そこには根深い、わかってほしい欲が隠れているかもしれないと自覚することが大事なのでしょう。

 

第二章 イライラしない


23.悪意のない愚かさに怒っても疲れるだけ

 

あなたはイライラしやすいですか?
公共の場で突然キレる○○(老人でも中高年でも若者でも)なんてネットニュースもありましたが、ほとんどの方は「キレるほどではないけれど、イライラすることはある/イライラしがち」という程度でしょう。

 

イライラの原因は、主に3つだといいます。

 

  1. 強欲さ(欲望)
  2. 攻撃性(怒り)
  3. 愚かさ、無能さ(無知蒙昧)

 

これらを他人(あるいは自分)の中にみつけると、イライラが沸いてきます。ただし3番の愚かさにまでイライラしても疲れるだけ。自分は正しい、当然だ、常識、といった価値観によって腹が立ってしまう。

 

当然ながら、世界すべてがあなたにとって最適にチューニングされているわけではありません。びっくりするほどゲスいとか、高潔すぎて引くとか、そこまで極端でなくても、それぞれの価値観で動いています。

 

不愉快な価値観に遭遇したとき、どうすればいいのでしょうか。実害が大きければ、適切に対処すべきかと思います。しかし相手の愚かさには悪意がなく、実害が少ないのであれば、「あぁ自分イライラしているなー。相手の欲望(怒り、無知)にイライラしているなー」と自分を客観視してみるとよいらしいです。

 

第三章 言い訳しない


61.その場しのぎにイエスと言わず、「少し考えさせて」と保留する

 

第一章からここまで(最後まで?)、すごくざっくりいうと、人間は自覚している以上に自己中だ(自己愛が強い)というお話でした。自己中だから他人にわかってほしいし、他人にイライラしがちである。

 

その場しのぎの発生源も同じです。たとえ相手に悪いからという気持ちであっても、その裏には「悪く思われたくない」という自己愛があって、気があるような返答をしてしまうことがあります。

 

「やりたくない」という本心が伝わらないせいで、次からも頼まれたり誘われたりが続き「あーもう!どうしてわかってくれないんだろう?」と思うかもしれません。が、嫌われるのを怖がりすぎて良い人ぶる、自分の蒔いた種なのです。

 

だから気が進まなかったら、甘い言葉を間にかまさず、「考え直したら気が進まないんだ、ごめん」という感じで、正直にいってみてはいかが?ということでした。

 

この章では、心を整えるために体調を整えることも載っていました。体の使い方、食事の量、砂糖の摂取などです。

 

第四章 せかさない

 

67.ものごとに集中するには、頑張りすぎず、だらけすぎず

 

通常、頑張りすぎか、だらけすぎか、どちらかに極端に傾いて自律神経のバランスを崩しがちな私たち。

 

ほとんどのことは、急には変わりません。頑張りすぎると続かなくなってしまってもとの状態になるとか、悪くすると最初よりだらだらしちゃったり(笑)。がんばったからいいよね、というパターンですね。

 

第五章 比べない

 

93.争いを招くのは宗教ではなく、独善的な信仰心

 

自分の中心軸として何らかの実践法や教えを必要としている人は、もともとはひどく不安定だったり自信がなかったり、この世間になじめず鬱屈としていたりする傾向が強い、ということです。(中略)
社会とは違う基準で自分を評価できる、心の訓練で成長できるゲームでステップアップすることにより、「自信」を取り戻そうとする側面もあることは否めません。

 

外見、仕事、学歴、収入などの一般的な評価軸で高いスコアを叩き出すひとは、その基準にあまり疑問を持たないでしょう。しかし情報が多くなり、その基準では上位ランクではないと感じているひとが増えたのが、いまの日本社会かもしれません。

 

一般的ではない基準を拠り所としているひとは、その基準にそえば、自分は価値が高いと感じられる。だからそれを否定しようとするひとを否定したり、見下したりしがちです。もちろんどちらが正しい基準かなんてことは決まりません。

 

とても気軽に読める本でした。からだだけじゃなく、心が夏バテしそうなときにいかがですか?

 

 

 

広告を非表示にする