
ごぶさたしてます、レナ(@esp_rit)と申します。
本日は『予告された殺人の記録』読書会直前レビューです。
あらすじ
町をあげての婚礼騒ぎの翌朝、充分すぎる犯行予告にもかかわらず、なぜ彼は滅多切りにされねばならなかったのか? 閉鎖的な田舎町でほぼ三十年前に起きた、幻想とも見紛う殺人事件。凝縮されたその時空間に、差別や妬み、憎悪といった民衆感情、崩壊寸前の共同体のメカニズムを複眼的に捉えつつ、モザイクの如く入り組んだ過去の重層を、哀しみと滑稽、郷愁をこめて録す、熟成の中篇。
http://www.shinchosha.co.jp/book/205211/
処女がそんなに大事か(大事なんだろうね)
内容はタイトルの通り、「サンティアゴ・ナサールを殺す!」「殺すぞ!」と友人知人にいいまくって(予告して)いたビカリオ兄弟が、実際にサンティアゴ・ナサールを殺しちゃうというお話。動機はというと、サンティアゴ・ナサールがビカリオ兄弟の妹であるアンヘラ・ビカリオ(美人)の処女を奪ったから。
あるとき、よそ者のバヤルド・サン・ロマン(金持ちで出自はしっかりしている)に、アンヘラは突然求婚されます。彼女はもちろん困惑しますが、まわりはどんどん盛り上がりあれよあれよと結婚。しかしアンヘラが処女じゃないと知ったバヤルドはブチギレてアンヘラを即座に実家へと追い返します。激高する家族に「処女を奪った相手は誰だ?!」と聞かれたアンヘラは「サンティアゴ・ナサール」と証言しました。
アンヘラの処女を奪ったのは?
アンヘラの初体験が、サンティアゴ・ナサールというのは本当だったのでしょうか。アンヘラの証言以外の証拠や証言はでてきません。当のサンティアゴ・ナサールも、アンヘラのことを「おまえのいとこの馬鹿娘ときたら~」なんてからかっていましたし、身に覚えがないような描写がされています。ということは、サンティアゴ・ナサールは巻き込まれ事故?それで殺されるとか半端ない。
アンヘラを見初めた理由
たしかにアンヘラ・ビカリオは美しかったようですが、一方でこのようにも描写されています。
年とともに、彼女はますます精彩を失っていった。あまりの生気のなさに、バヤルド・サン・ロマンが彼女との結婚を望んでいることがおおっぴらになったとき、多くの人々は、それがよそ者の気紛れにすぎないと思ったほどである。(p.39)
なんでバヤルド・サン・ロマンはアンヘラ・ビカリオと結婚したいと思ったのでしょうか。
アンヘラの一途な恋
もー迷わーない♪
TMNの歌ですけど、出戻りとなったアンヘラ・ビカリオのその後が、またなんというか、微妙です。アンヘラ・ビカリオが長きに渡ってバヤルド・サン・ロマンに執着する理由がよくわかりません。やっぱり2人は運命の仲だったということ?自己暗示?男の夢?(振った女にいつまでも思い続けてほしい)
わかりませんといえば、『帰りがけに~哀れな女だった。』(P.108-109)のくだりも、さっくりわかりません(;´∀`) プーラ・ビカリオの本当の姿とは一体。
イゲロン樹の森の夢
サンティアゴ・ナサールが、殺される日にみた夢のイゲロン樹は、締め殺しの樹ともいわれるようです。こわっwww サンティアゴ・ナサールの母親であるプラシダ・リネロはよく当たる夢判断をしていたにも関わらず、息子の殺人において夢見を誤り、さらに正面の扉を締めてしまった。プラシダ・リネロの立場で読んだことはありませんが、読み返してみるとなんらかの「におわせ」があるかもしれません。
多くの人間が知るほど、責任も拡散していく
実際にあった殺人をもとにしているそうですが、この殺人は傍観者効果バリバリですね。たくさんの人がサンティアゴ・ナサールの殺害を知っていたのに、ほとんど本気にしていません。
ぴったり。140ページほどで全体はそう長くありませんし、読むのに苦労するのは最初のほうだけ、だと思う。人物の名前が多く出ますが、5人把握できれば大丈夫でしょう。サンティアゴ、アンヘラ、バヤルド、パブロとペドロ兄弟ね。
日時:2017年6月10日(土) 13:30~16:00頃
場所:新宿
費用:参加費(500円)+飲食代
書籍:『予告された殺人の記録』(新潮文庫) ガブリエル・ガルシア=マルケス
あるといいもの:交換用の本
途中まで、未読もOKですが、通読が基本です。


https://coubic.com/esp_rit/155480
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